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	<title>福島のりんご・桃の生産販売｜斎藤果樹園 &#187; 赤い実の話</title>
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	<description>当果樹園では、赤い実 りんご・ももの生産販売を致しております。</description>
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		<title>がんと赤い実のはなし</title>
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		<pubDate>Tue, 12 May 2009 03:29:49 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[果樹園研究]]></category>

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		<description><![CDATA[ リンゴやモモなどの赤い実、フルーツを適度に食べることがガンの予防によいというのは、いまでは広く知られています。
ところが、ガンとは一体どのような病気なのか、ひとはどうしてガンになるのかと言った基本的なことが、素人にはな [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p> リンゴやモモなどの赤い実、フルーツを適度に食べることがガンの予防によいというのは、いまでは広く知られています。<br />
ところが、ガンとは一体どのような病気なのか、ひとはどうしてガンになるのかと言った基本的なことが、素人にはなかなか難しくてよくわからないものです。<br />
そこで、<strong>「赤い実の熟する里」</strong>を訪ねてくれる皆さんのために、里の特別応援団員、筑波大学の加藤先生に特別寄稿をお願いました。先生は、ノーベル賞で有名なスウェーデンのカロリンスカ研究所、財団法人癌研究所、そして筑波大学で一貫してガン研究に取り組んでこられた、日本のガン研究の第一人者です。分子生物学など、最先端の話も交えて、楽しく判りやすく解説をしてくださいました。<strong>「赤い実の熟する里」</strong>ならではのサイエンスエッセイを楽しんでください。 </p>
<p><span id="more-159"></span></p>
<ol>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g1">生物の体</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g2">がんとは</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g3">生物の基本的性質</a>
<ol>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g3a">生物は細胞という基本構造をもつ</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g3b">生物は細胞分裂によって世代を交代し、 増殖しつづけることによって生きつづける</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g3c">生物の性質が次ぎの世代に受け継がれる現象を遺伝という。遺伝は遺伝子であるDNAが複製されて子孫に与えられることによって起こる</a></li>
</ol>
</li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g4">生物の進化の大きな展開</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g5">多細胞生物の生命維持</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g6">がん細胞ではどのような遺伝子が壊れているか</a>
<ol>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g6a">がん遺伝子とがん抑制遺伝子</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g6b">多段階発癌説―がんは多様な個性をもつ</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g6c">遺伝子が壊れていることを利用してがん細胞を破壊する方法</a></li>
</ol>
</li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g7">加齢とがんの発生</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g8">本質的な問題</a></li>
</ol>
<p><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/159.html#g9">おわりに</a></p>
<h3 id="g1">1. 生物の体</h3>
<p>生物は「細胞」という1 mmの100分の1程度の大きさの基本単位が集まってできています。私達ヒトの体も例外ではありません。ヒトの体は10の13乗個、すなわち10兆以上の細胞が集まってできています。このとてつもなく多くの細胞は、すべて受精卵というひとつの細胞が「細胞分裂」を繰り返してできたものです。しかし、すべての細胞が同じ性質をもっている訳ではなく、全身に酸素を運ぶ赤血球や、リズミカルに収縮してポンプの駆動力を発生する心筋細胞など、それぞれが役割を分担するように特徴づけられています。これを細胞の「分化」といいます。</p>
<p>体の中では、いくつかの種類の分化した細胞が集まって、粘膜組織とか筋肉組織など「組織」という機能単位をつくっています。また、いくつかの組織が集まって心臓とか腎臓などの「臓器」をつくる場合もあります。組織や臓器がそれぞれの機能を果たすことに依存して、「個体」は生命を維持することが可能になるのです。組織がそれぞれの役割を果たすためには、その組織を構成する細胞が、特定の増殖動態を持つことも要求されます。例えば、複雑な神経回路を維持しつづけることが要求される神経細胞や強い張力を発生するために多数の細胞が融合して太い筋繊維をつくる骨格筋細胞などは、胎児期に母胎の中で充分に分裂増殖し、生まれてからは分裂増殖能を失ってしまいます。もし何らかの原因で神経細胞や骨格筋細胞が破壊されたとしても補充はできません。</p>
<p>一方、皮膚の表面で表皮をつくる角化細胞や赤血球、白血球などには、一定の寿命があり、正常でも古い細胞が次々と死ぬと同時に、その数を補うように新しい細胞が細胞分裂によって生まれつづけています。そして、この細胞の死と誕生のバランスが厳密に調節されることによって細胞の数が一定に保たれます。赤血球の場合、1mm3 の血液中に約400万～500万個あるのが正常で、ヒトの血液は約５リットル、赤血球の寿命は120日で、通常１日に約１千億個の赤血球が新たにつくられています。また、例えば擦り傷ができたときには角化細胞の増殖速度が速くなって欠損部位を再び覆います。大量に出血すれば赤血球がいつも以上にさかんにつくられます。もし赤血球が充分つくられなくなると、全身に酸素を充分運べない貧血という病気になります。逆に赤血球が多過ぎると血液の粘稠性が上がり、あちこちで血管がつまり梗塞がおきます。<br />
このように、種々の組織で細胞の数が正常より多くても少なくてもその機能に障害が生じます。私達の体は、細胞の増殖を速める分子や停止させる分子、あるいは細胞死を積極的に誘導する分子の働きなどによって、それぞれの細胞の数を絶妙に調節することによって始めて存続しうるものなのです。</p>
<h3 id="g2">2. がんとは</h3>
<p>がんとは、この「細胞」が、体を維持するために必要な増殖調節を受け付けなくなって無秩序に増えつづけるようになったもので、さらに、その細胞が本来存在する場所を超えて周囲の正常組織を壊しながら拡がっていく性質を獲得しています。がん細胞は、周囲の血管やリンパ管を壊してその中に侵入すると血液やリンパ液の中を流れて行き、最初にがんができた場所から離れた所でも増えつづけます。これを転移と言います。がんがヒトの死因になるのは、多くの場合、転移によって拡がって行った先で臓器が破壊され、生命の維持に必要な機能、例えば肺における呼吸や肝臓における毒物代謝が充分に行えなくなったり、出血をおこすことなどによります。</p>
<h3 id="g3">3. 生物の基本的性質</h3>
<h4 id="g3a">a）生物は細胞という基本構造をもつ</h4>
<p>私達の体は細胞という基本単位が集まってできていることをすでに述べました。もともと38億年前に誕生したと推定されている最初の生物は、細胞１個が１生命体である単細胞生物でした。私達の体を構成している細胞もまた１個１個が生きています。私達は普段、自分の命という時、私達個人つまり細胞の集合体である個体の命のことを考えますが、もともと生物がもっていたのは細胞の命です。</p>
<p>自然科学や科学技術が随分進歩した今日においても、どんなに単純な生物であれ、無生物の材料から生物をつくることに成功していません。従って、生きているとはどういうことなのかという生物学の根本的な問題に対する解答を私達はまだ持ち合わせていません。従って、細胞の命と個体の命の相違についても本質的には分かっていません。ただ、ここで強調したいのは、私達の体の中には、私達が意識している個体の命とともに、それを支えている１個１個の細胞の命という次元の違うふたつの命が共存しており、前者は完全に後者に依存するが、後者すなわち細胞の命は必ずしも個体の命に依存しないということです。本来、細胞は１個１個が独立の生物として生きていたのです。</p>
<h4 id="g3b">b）生物は細胞分裂によって世代を交代し、増殖しつづけることによって生きつづける</h4>
<p>前項で、生きているということがどういうことなのかいまだにわからないと書きましたが、生物がもつべき基本的性質として、その生物の特徴を保ったまま細胞分裂によって増殖し続けることが必須の条件になっていることはわかります。細胞とは、ちょっと安定なシャボン玉のようなもので、それ自体としては決して何百年も生き続けられるようなものではありません。その細胞を基本単位として持つ生物が38億年も生きつづけてきたのは、細胞分裂によって新たな細胞が次々と生まれつづけていることに依っています。新たな細胞が次々と生まれつづけること、これこそ生物がこれまで存続してこられた理由となる最も基本的な性質なのです。</p>
<h4 id="g3c">c）生物の性質が次の世代に受け継がれる現象を遺伝という。遺伝は遺伝子であるDNA が複製されて子孫に与えられることによって起こる</h4>
<p>生物がその種類の生物として存続しつづけるためには、細胞分裂によって新たに生まれた細胞が親の細胞と同じ性質をもっていることが必要です。この現象を遺伝と言います。遺伝については、ダーウインやメンデルの時代から150年近い研究の歴史があるわけですが、その中でも、遺伝はDNAという分子によって伝えられることを証明したオズワルド・アベリーの仕事や、DNAが２重らせん構造を持ち、それが複製されて子孫に伝えられるという遺伝の分子機構を示したフランシス・クリックとジェイムズ・ワトソンの仕事はサイエンスの世界の中でも傑出した業績だと言えます。20世紀後半に起った生物学の爆発的な進歩は、このDNAの研究を中心に発達したものです。</p>
<p>変わらないことが重要な遺伝子のもうひとつの大切な特徴は、それがまれに変化するということです。遺伝子が全く厳格にその構造を変えないものであったら、生物は進化することがなかったのです。私達の存在は、遺伝子が変化し、それが生物の進化をもたらしたことに依存しています。誰がどう計算したのか知りませんが、遺伝子の物理化学的な安定性が10倍なら、言い換えれば、生物がDNAの10倍の安定性を持つ分子を遺伝子として使っていたなら、進化の速度は遅くなり、今日までハエ程度の生物しか誕生しなかっただろうといいます。また、遺伝子の安定性が１０分の１だった場合には、安定に保てるゲノムの大きさも１０分の１になり、この場合も生物はハエぐらいにしか進化できなかったといいます。</p>
<p>今、私達人類が存在するのは、38億年後の子孫である私達から見ても最適と思われるDNAという分子を、生物が遺伝子として使ったことに依存しています。尚、最近よく耳にするゲノムとは、遺伝子が生物の体の中で働くひとつひとつの蛋白の設計図であるのに対して、ひとつの生物をつくっている遺伝子の集合体全体を指します。</p>
<h3 id="g4">4. 生物の進化の大きな展開</h3>
<p>生物の誕生から今日まで、生物は単なる偶然の積み重ねとは信じられないくらい飛躍的な進化を遂げており、全貌がわかっていない今日においても、その仕組みは圧倒的に複雑でしかも巧妙です。下記A～Eの５項目は、これまでの生物の歴史の中でも、特に大きな転換を与えた大革命だったと思います。</p>
<ul style="list-style-type: upper-alpha;">
<li>生物の誕生</li>
<li>ミトコンドリアの誕生-爆発的なエネルギー生産の機構</li>
<li>葉緑体による太陽エネルギーの貯蔵</li>
<li>積極的な遺伝子変化の機構としての性の分化</li>
<li>多細胞生物-第２の生命の誕生</li>
</ul>
<p>この文章の中で、これらについて話す余裕はありませんが、私達、多細胞生物個体の生命は、長い生物の進化の過程のすえに生まれた副次的なものだと捉えておく必要があると思います。</p>
<h3 id="g5">5. 多細胞生物の生命維持</h3>
<p>多細胞生物をつくっている個々の細胞の増殖・生死は、すでに述べたように多細胞生物個体の生命維持に適したように調節されています。多細胞化したことで生物は飛躍的な進化を可能にしたわけですが、そのひとつに寿命の延長があると思います。しかし、寿命が延びた多細胞生物の中で遺伝子は頻繁に壊れるようになりました。言い換えればDNAの安定性の限界を超えるまで、人類は長生きするようになりました。</p>
<p>生物は壊れた遺伝子を修復するさらなる進化を遂げているのですが、それでも長年のうちには色々な遺伝子が壊れてしまいます。しかし、例えば100個の細胞からなる組織があって、そのうち１個の細胞の遺伝子の一部が壊れたとしても、それは組織全体としての機能に影響するものではありません。私達の体の中で遺伝子が壊れるということは日常の出来事であるにもかかわらず、それが病気に結びつかないのは、私達の体が多くの細胞の集合体だからということになります。しかし、遺伝子のキズは時に細胞の増殖や生死を調節する遺伝子にもできてしまいます。遺伝子の変化のために細胞が無秩序に増殖するようになると、最初はたった１個だった異常な遺伝子を持つ細胞がどんどん増えることになり、個体全体の機能にも影響し病気をおこすようになります。これが、がんという病気です。</p>
<h3 id="g6">6. がん細胞ではどのような遺伝子が壊れているか。</h3>
<h4 id="g6a">a）がん遺伝子とがん抑制遺伝子</h4>
<p>壊れるとがん化を起こす遺伝子は、がん遺伝子とがん抑制遺伝子の２種類に分けられます。がん遺伝子(Oncogene)とは、その分子がたくさんつくられたり、機能の調節がうまくいかなくなるような壊れ方をして常にスイッチがonになった状態の時にがん化を誘導する遺伝子で、多くの場合、細胞の増殖を促進したり、細胞死を抑制したりする働きをもっています。このような遺伝子として、rasとか、fos, myc, cyclin D, Bcl-2などがあります。一方、がん抑制遺伝子(tumor suppressor gene)とは、遺伝子が壊れてその分子の機能が失われることによって、がん化に関与するものでp53, Rb, APC, Smad4などの遺伝子があります。</p>
<h4 id="g6b">b）多段階発癌説-がんは多様な個性を持つ</h4>
<p>がん遺伝子とかがん抑制遺伝子と言っても、ひとつの遺伝子が壊れただけで、すぐに転移をするような悪性のがんができるわけではありません。いくつかの遺伝子が壊れるにしたがってだんだんと悪性度の強いがんになっていくことが知られています。これを多段階発癌説と言います。多段階発癌の機構が最も調べられているのが大腸癌です。大腸癌の場合、APCとかCOX-2という遺伝子が壊れると小さな大腸ポリープ（良性腺腫）ができ、これにp53やrasの遺伝子異常が加わるとポリープはがん化し、さらに未だ不明の何らかの遺伝子の異常がさらに加わって浸潤したり転移したりするようになると考えられています。</p>
<p>壊れる遺伝子の組み合わせは沢山あり、それによってがんの性質も色々違ってきます。従って、同じ大腸癌という診断がついたとしても、そこだけ取ってしまえば全く問題のないものから、小さくても転移しやすい悪性度の高いものまで色々あります。がんとは多様なものであり、同じ大腸癌とか乳癌、肺癌などという診断がついても、隣のベッドの人と治療法が違う場合があるのは当然のことなのです。がんは発生の母体となった細胞の種類、遺伝子の壊れ方、発見までの進行の程度などによって多様な性質を持ち、また、そのがんの宿主となる個体の年齢や栄養状態、免疫能、薬による副作用の強弱など、私達の体の方の多様性もあって決してみんな同じではないのです。</p>
<h4 id="g6c">c）遺伝子が壊れていることを利用してがん細胞を破壊する方法</h4>
<p>がんの治療で現在もっとも信頼できる方法は、がん細胞をすべて外科手術によって取り去ることです。これを可能にするには、がんが全身に転移する前に手術する必要があります。このために一番大切なことはがんを早期に発見することです。しかし、がん細胞が全身に拡がっていても薬で治せる場合があります。例えば慢性骨髄性白血病の場合には、多くの場合薬で治すことが期待できます。これは全身に拡がったがんでも薬で治せることを示す一例です。</p>
<p>ではどういう薬ができれば今は治せない進行したがんを薬で治せるようになるのでしょうか。この場合、いかにしてがん細胞と正常細胞を区別するかということが最も重要な課題になります。多くのがん治療薬は、さかんに増殖する細胞をやっつける作用があります。正常細胞も増殖しないと個体の生命を維持できないわけですが、それでも複数の薬を組み合わせて使ってがん細胞は徹底的にやっつけて正常の組織はなるべく傷害しないような匙加減が一部の白血病などではできるようになったということになります。多くの抗癌剤に骨髄抑制による易感染性や脱毛などの副作用があるのはこのためです。</p>
<p>匙加減ではうまくいかないがんでも、がん細胞だけでつくられている蛋白を見つけてそれを免疫療法で攻撃すれば、進行したがんでも治療できるのではないかと、70年代頃からさかんに研究されました。ところが、がん細胞で沢山つくられている蛋白を標的とした治療を行っても、その蛋白をあまりつくらないがん細胞が選択的に増えてくるという、がん細胞の変わり身の速さに阻まれて治療がうまくいかないことがわかりました。しかし、変わり身の速いがん細胞でも変えることのできないがんの本質的な異常を利用してがん細胞を攻撃できれば、理想的ながんの治療薬になると考えられます。</p>
<p>では、がんの本質とは何でしょうか。それは特定の遺伝子が壊れているということです。壊れた遺伝子が元に戻ることはありません。このがんの本質的な異常を利用してがんを治療する最初の薬が２１世紀の最初の年2001年に実際に患者さんの命を救い始めました。慢性骨髄性白血病の治療薬グリベックがそれです。慢性骨髄性白血病では染色体異常によってablという酵素が常にスイッチオンになっているため細胞が増殖しつづけます。グリベックは、このablを特異的に抑えることによって、骨髄抑制も脱毛もおこさず白血病細胞だけを殺すことができるのです。</p>
<h3 id="g7">7. 加齢とがんの発生</h3>
<p>１９８１年以降、がんは日本人の死因の第一位で、現在３人にひとりが、がんで亡くなるまでになりました。昭和初期までは、がんで亡くなる人はまれだったのに、なぜこれ程まで増加したのでしょうか。がんの発生を年齢別に見てみると、１年間でがんになる人の数は、２０歳以下では１万人にひとり程度なのに、４０歳では千人にひとり、６０歳では百人にひとり以上と、加齢に伴って等比級数的に増加することがわかります。</p>
<p>日本人の平均寿命は、大正時代に４０歳を超え、昭和２０年頃に５０歳を超え、３０～４０年代に６０から７０歳代へとどんどん延長しました。まさしくこの間に、日本人はがんになる程長生きするようになったということができます。しかも、がんはある年齢に達してから急に生じるものではありません。病院でがんを発見できるのは、がんが5 mm～1 cm位まで大きくなってからですが、１個のがん細胞が生じてからこれ位の大きさまで成長するのに大体２０年位かかることが知られています。この２０年の間にがんの進展に関わるいくつもの遺伝子異常が積み重なって臨床的に問題となるがんにまで進行するのです。</p>
<h3 id="g8">8. 本質的な問題</h3>
<p>ヒトのゲノムの構造をすべて明らかにするヒトゲノム計画がほぼ終わりに近づき、今またポストゲノムの時代という新たな標語が生まれました。これからのポストゲノムの時代には「オ－ダ－メイド医療」と「再生医療」のふたつが大きなテーマになっています。オ－ダ－メイド医療とは、例えばがん治療の場合、どの遺伝子が壊れてがんになった場合にはどの薬が有効であるというデータを蓄積して、今よりも飛躍的に個々人にマッチした治療方法の選択ができるようにしようというものです。</p>
<p>しかし、幸いにしてある時点でがんを克服できたとして、その次にはどのような病気が待っているのでしょう。最近、先進国では多重癌で亡くなる方が増えています。多重癌というのは、例えば胃癌になったけど早期に発見できて手術でとりきれた。次に皮膚癌になったけど、これも治せた。けれども次に膵臓癌になり、これは進行して命を奪われたという場合があたります。この場合は３重癌といいます。これからグリベックのような良い薬が沢山できて、治せる癌はどんどん増えていくと予想されますが、がんの発生をくいとめることができない限り、がんで亡くなる方はなくならないのです。</p>
<p>がんの発生をくい止めるには、遺伝子が壊れにくいような生活習慣を身につけ何十年にも渡って実行する必要があります。このような観点から今米国では、がん対策に大きな転換が計られています。禁煙運動など発癌物質を生活環境から除く努力は以前から行なわれていましたが、現在のキャンペーンの中心は、がんの発生を抑制するような食物を積極的に取り、がんが発生するのを抑えようとするものです。</p>
<p>このキャンペーンの中心のひとつが米国癌研究所(American Institute for Cancer Research; AICR)です。AICRが推定によると食生活を改善することによって、がんの発生を30%～40%減らすことができると言います。そしてこのようなキャンペーンの中で注目されているものの代表がリンゴです。今、cancerとappleをキーワードとしてインターネットを検索すると、２５万件のヒットがあります。リンゴのがん予防効果を科学的に立証する研究も行なわれています。抗酸化物質や食物線維、カリウムなどすでに作用機序がある程度明らかな物質をリンゴが沢山含んでいることはすでに良く知られていることですが、今後その効果の詳細が科学的に立証されていくものを思われます。</p>
<p>私達、日本人は野菜の摂取量では世界の国々に劣らないのですが、果物の摂取量が少ないという統計データがあります。欧米人は日本人の倍位果物を食べているのです。逆に言うと私達の食生活は、果物の摂取量をあげる事によるがんなどの病気の予防効果が、すでに効果ありという結果がでている欧米よりも顕著に得られる可能性があります。</p>
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_26.jpg" alt="AICR" title="AICR" width="299" height="123" class="alignnone size-full wp-image-167" /><br /><a href="http://www.aicr.org/site/PageServer" target="_blank">AICRのホームページより</a></p>
<h3 id="g9">おわりに</h3>
<p>生物は、生殖細胞を特別な環境に置き、世代を交代することによってゲノムが崩壊していくのに歯止めをかけています。体細胞のゲノムを使ってクローン動物（人間）を誕生させることができることが話題となっていますが、ボロボロになったゲノムを与えられて子供達が生まれてくることは大変悲しい出来事であると思います。世代交代が必要ということは１個人の生命には限りがあるということです。どうせ限られた余生なら、楽しく生きたいものです。コンクリートのビルの中で、禁煙、減塩の禁欲生活を続けるより、自然の中で美味しいアップルパイの作り方教室とかを仲間で開きながら暮らす方が楽しいに決まっています。私自身にも多少そういう指向があって、つくばに来たのですが、何だかオーナーのスケールのデカさばかりが目立ちます。<br />
つくばと福島は思ったより近いので、大自然の中で美味しくヘルシーなもぎたてのリンゴにふたりでかぶりつく日を楽しみに、この文を閉じたいと思います。</p>
]]></content:encoded>
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		</item>
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		<title>21世紀の果樹栽培への挑戦</title>
		<link>http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html</link>
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		<pubDate>Tue, 12 May 2009 01:44:17 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[果樹栽培]]></category>

		<guid isPermaLink="false">http://www.akaimi.net/?p=129</guid>
		<description><![CDATA[
果樹栽培研究の最前線

病害虫との戦い
農薬の使いすぎの反省
病害虫の生物的防除(バイオロジカルコントロール)
天敵とは何か
がんばれ天敵クン
微生物天敵
フェロモンなどの生理活性物質の利用


眼で見る害虫と天敵の戦 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<ol style="list-style-type: upper-alpha;">
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka">果樹栽培研究の最前線</a>
<ol style="list-style-type: decimal;">
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka1">病害虫との戦い</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka2">農薬の使いすぎの反省</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka3">病害虫の生物的防除(バイオロジカルコントロール)</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka4">天敵とは何か</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka5">がんばれ天敵クン</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka6">微生物天敵</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#ka7">フェロモンなどの生理活性物質の利用</a></li>
</ol>
</li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#kb">眼で見る害虫と天敵の戦い</a>
<ol style="list-style-type: decimal;">
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#kb1">捕食性ダニの活躍</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi01/129.html#kb2">アブラムシと戦う天敵たち</a></li>
</ol>
</li>
</ol>
<p><span id="more-129"></span></p>
<h3 id="ka">A. 果樹栽培研究の最前線</h3>
<h4 id="ka1">1. 病害虫との戦い</h4>
<p>質問コーナーでも簡単に説明しましたが(<a href="http://www.akaimi.net/faq/faq01/55.html">果樹に虫はつかないのですか？</a>への回答をみてください)、果樹栽培は病害虫との戦いの毎日です。美味しい桃やリンゴを育てるためには、害虫だけではなく細菌や真菌(カビ)あるいはウイルスといった病原微生物とも戦わなければなりません。そのためには、使い方や選択に充分注意しながらも、必要最小限の農薬を使う必要があります。その一方で、消費者の皆さんには少しでも<strong>「安全な赤い実」</strong>を届けなければなりません。農薬に依存し過ぎた農業は卒業しなければいけない、それは<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>の願いでもあります。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_10.jpg" alt="青虫" title="青虫" width="311" height="225" class="alignnone size-full wp-image-133" /><br />リンゴの葉っぱを食べる青虫、”キャタピラ-“とはよく言ったものだ</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_11.jpg" alt="アブラムシ" title="アブラムシ" width="301" height="188" class="alignnone size-full wp-image-134" /><br />畑の作物の大敵アブラムシ、みるからにイヤな奴</p>
<h4 id="ka2">2. 農薬の使いすぎの反省</h4>
<p>昨年は違法農薬の使用が話題となり、農薬の使用は新たな反省期を迎えています。その理由は色々ありますが、大体は次のようなものだと思います。</p>
<h5>1）化学的に合成された農薬が効かなくなってきている</h5>
<p>(使い過ぎで薬剤に抵抗性の病害虫が増えてきている)。これはヒトで抗生物質を使いすぎて院内感染やMRSAなどの薬剤耐性菌が問題になっているのと同じですね。</p>
<h5>2）消費者が減農薬や有機栽培の安全な食品を望んでいる</h5>
<p>飽食の時代が終わって、消費者が体によい食べ物を希望するようになってきたのですね。当然といえば自然の流れ、でも安全なものを食べるためには、見かけや形だけにこだわる消費者も考えを変える必要があります。</p>
<h5>3）環境や自然に優しい農業が必要</h5>
<p>農薬の使いすぎは自然や環境にとっても好ましくないという考えが広まってきています。未来の子供達のためにも環境に優しい農業に変わっていかなければなりません。でも、これを実践するためには消費者の協力も必須です。ちょっとくらい虫が食っていても構わない、賢い消費者が増えることを祈ります。</p>
<h5>4）農家自身から減農薬の要望が高まっている</h5>
<p>農薬を使いすぎて健康に被害を受けるのは農家自身なのです。農薬を使わない農業を一番まちのぞんでいるのは消費者のみならず畑ではたらく私たち自身です。</p>
<h4 id="ka3">3. 病害虫の生物的防除(バイオロジカルコントロール)</h4>
<p>そこで登場してきたのが、農薬を使わずに生物に関連する素材を用いて病害虫を防除しようという方法で、<strong>生物的防除</strong>(バイオロジカルコントロール)と呼ばれます。いろいろな方法が研究されていますが、大きくわけると</p>
<ol>
<li>天敵を使って果樹の害虫を防除する</li>
<li>フェロモンなどの害虫の個体間に働く生理活性物質を利用する</li>
<li>病害虫に対して抵抗性の品種を作る</li>
<li>遺伝子工学を使って病原微生物の働きを弱めてしまう</li>
<li>有用昆虫を活用する</li>
</ol>
<p>などの方法が世界中で研究されています。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_12.jpg" alt="アブラムシの天敵のハチ" title="アブラムシの天敵のハチ" width="420" height="275" class="alignnone size-full wp-image-138" /><br />アブラムシの天敵のハチ</p>
<h4 id="ka4">4. 天敵とは何か</h4>
<p>果樹栽培では病害虫は頭痛のタネですが、自然界はよくしたもので、その病害虫に対する<strong>天敵</strong>(英語では<strong>Natural Enemy</strong>)が必ず存在します。その天敵を上手に使って農薬を使わないで害虫をやっつけようという研究が世界で進められています。天敵と一言でいわれますが、実は色々なタイプがあって、大きくわけると、<strong>捕食者</strong>(英語で<strong>Predator</strong>、シュワちゃんの映画に“プレデター”がありましたね、アレですよ)、<strong>捕食寄生者</strong>（英語で<strong>Parasitoid</strong>、例えば寄生蜂や寄生バエが知られています）、<strong>微生物天敵</strong>(<strong>Microbiological Natural Enemy</strong>)に分けることができます。<strong>捕食者</strong>は文字通り悪い虫などを捕まえて食べてくれるものです。<strong>捕食寄生者</strong>は害虫に卵をうみつけて結果として殺してくれるもの。<strong>微生物天敵</strong>は病害虫だけの伝染病ですね。自然界にはひとつの害虫に対して必ず複数の天敵がいますので、このなかから生物農薬として使い易いものを選び出し、実用向けに繁殖させるのが天敵研究の中心です。</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_13.jpg" alt="テントウムシ" title="テントウムシ" width="360" height="247" class="alignnone size-full wp-image-142" /><br />害虫のハダニやアブラムシを食べてくれる(捕食者)テントウムシくん</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_14.jpg" alt="青虫に産みつけられた捕食寄生昆虫の卵" title="青虫に産みつけられた捕食寄生昆虫の卵" width="361" height="228" class="alignnone size-full wp-image-143" /><br />青虫に産みつけられた捕食寄生昆虫の卵(白い点)</p>
<h4 id="ka5">5. がんばれ天敵クン</h4>
<p>天敵は古くて新しいテーマです。その実例を少し紹介してみましょう。果樹栽培では100年くらい前から、例えばミカントゲコナジラミに対するシルベストリコバチ、リンゴワタムシに対するワタムシヤドリコバチなどの天敵が発見され、一部では実用にも用いられ、それなりの効果もあげています。</p>
<p>クワコナカイガラムシという害虫はリンゴの実に被害を与え、これを防ぐために有袋栽培(袋かけ)が盛んになったりしましたが、それでも充分には被害を防ぐことはできませんでした。そこで、この害虫に対する天敵を探す研究が行われ、クワコナカイガラヤドリバチという天敵がみつかりました。このクワコナカイガラヤドリバチは、１９７０年に日本で最初の生物農薬「クワコナコバチ」として農薬に登録され一度は全国で利用されたりしました。その後、販売が中止され農薬登録も失効したのですが、この寄生蜂はリンゴ園の野外にすでに定着しており、現在でも減農薬で栽培した場合にクワコナカイガラムシの増加を防ぐ大きな要因になっていると言われます。このような天敵は果樹生産地において自ら定着，増殖して害虫の増えるのを防いでいて、<strong>天敵の永続的利用法</strong>と呼ばれています。これに対し、天敵を人為的に放して一定期間だけ有効に働かせる方法を<strong>周期的放飼法</strong>と呼びます。</p>
<p>リンゴやモモに被害を与えるハダニ類の主要な天敵として、<strong>捕食性ダニ類</strong>と<strong>捕食性昆虫</strong>があります。<strong>捕食性ダニ</strong>(ダニを食べるダニなんて驚きですね)は捕食性昆虫に比べて捕食能力は低いと言われます。しかし、ハダニ以外に花粉やカイガラムシの幼虫を食べても生きて行けるので、エサとなるハダニの発生が比較的少ない果樹でも生育できるのが特徴です。果樹園で何もしないのにハダニの発生が少ないのは、この捕食性ダニが頑張ってくれているからだと言われています。次は<strong>捕食性昆虫</strong>の特徴です。例えばケシハネカクシというハダニにの天敵がいます。この捕食性昆虫はハダニを食べることでしか生きていけないので、ハダニの捕まえて食べる力は<strong>捕食性ダニ</strong>にくらべて旺盛です。ということは、ハダニの数が少ない時には果樹園には姿を見せず、ハダニの葉っぱに寄生する密度が高まると周辺から飛んで来て食です。果樹園でハダニが多発したあとに急速に密度が低下するのは、主として捕食性昆虫の働きによると言われています。　</p>
<p style="text-align: center;"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_15.jpg" alt="ハダニを攻撃する捕食性ダニ" title="ハダニを攻撃する捕食性ダニ" width="432" height="288" class="alignnone size-full wp-image-144" /><br />ハダニを攻撃する捕食性ダニ</p>
<h4 id="ka6">6. 微生物天敵</h4>
<p>わかりやすく言うと「毒をもって毒を制する」というのが<strong>微生物天敵</strong>です。病害虫にだけ感染するカビや細菌などの微生物を使って害虫をやっつけようという試みです。昆虫には昆虫に寄生性する糸状菌(カビ)、細菌、ウイルスなどがあります。糸状菌ではゴマダラカミキリやキボシカミキリに対する<strong>Beauveria brongniartii</strong>と言うカビが発見されて、これを製剤化したものが生物農薬として登録されています。モモの大敵であるモモシンクイガに寄生する<strong>セラチア菌</strong>という細菌も知られています。ウイルスではモモシンクイガやハマキムシなどの鱗翅目と呼ばれる害虫に感染する<strong>穎粒病ウイルス</strong>というのが知られています。しかし、これらの研究はまだ始まったばかりですから、これからの研究が必要です。そして微生物天敵は、農薬などとくらべ速効性は低く、も害虫に感染してから死亡させるまでに時間がかかります。ですから発生した害虫を防除するのに使うというよりも、害虫の予防的な見地から活用が期待されています。</p>
<h4 id="ka7">7. フェロモンなどの生理活性物質の利用</h4>
<p>生物防除(バイオロジカルコントロール)として天敵より実用化が進んでいるのがフェロモンなどの<strong>生理活性物質</strong>の応用です。生理活性物質というとなにやら難しく聞こえますが、要は害虫や虫たちが情報を交換するのに使っている化学物質だと理解してください。それを人為的に使って害虫間の情報交換を撹乱させて、交尾できなくさせたり、誘き寄せて殺したりというのが生理活性物質の利用方法です。</p>
<p>昆虫の間で情報として働く生理活性物質には、同種の虫たちのに働く<strong>フェロモン</strong>と異種の個体間で働く<strong>アレロケミカル</strong>（他感作用物質）の２種類があります。アレロケミカルにはさらに、その物質を使って発信する側とその情報の受信者側からみて、その情報が有利に働くか不利に働くかによって、<strong>アロモン、シノモン、カイロモン、アンチモン</strong>に分類されます。</p>
<p><strong>カイロモン</strong>は天敵を誘き寄せる作用を持つもので、果樹害虫に対する防除資材としても注目されていますが、まだ実用化には至っていません。<strong>合成性フェロモン</strong>は害虫の防除に有効なことが判明しており、その利用法には<strong>大量誘殺法</strong>と<strong>交信攪乱法</strong>という方法があります。しかし、<strong>大量誘殺法</strong>では害虫の増殖を妨げるほど雄成虫を誘殺することが難しいので、果樹では使われていません。<strong>交信攪乱法</strong>とは、メスの出す性フェロモンを合成したものを果樹園の随所に設置することで、オスが何処に行っていいのか判らなくなり、結果的にオスとメスを交尾できなくさせて害虫の繁殖率を低下させるものです。</p>
<p>モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ、キンモンホソガ、ミダレカクモンハマキ、ウメの害虫のコスカシバなどでフェロモンを使った交信攪乱法の効果が明らかにされています。すでに広く実用化・市販されていて、例えばリンゴの害虫のシンクイムシ類（モモシンクイガ、ナシヒメシンクイ）、キンモンホソガ、ハマキムシ類（リンゴコカクモンハマキ、リンゴモンハマキ、ミダレカクモンハマキ）に対しては複合性フェロモン剤<strong>コンフユーザーA</strong>という複合性フェロモン剤が市販されています。モモ害虫のシンクイムシ類、モモハモグリガ、ハマキムシ類（上記ハマキムシ類の他にチャハマキとチャノコカクモンハマキも対象）に対しても<strong>コンフューザーP</strong>製品があります。リンゴ及びモモで広範な研究で防除効果が認められていて、従来の害虫防除のやり方を減農薬へと変えて行く有力な手段として注目されています。もちろん<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>でも、早くからこれらを使用して減農薬に努めています。</p>
<h3 id="kb">B. 眼でみる害虫と天敵の戦い</h3>
<h4 id="kb1">1. 捕食性ダニの活躍</h4>
<div class="multicolumn">
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_16.jpg" alt="リンゴの大敵ハダニとその卵" title="リンゴの大敵ハダニとその卵" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-148" /><br />リンゴの大敵ハダニとその卵</p>
</div>
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_17.jpg" alt="ハダニに侵されたリンゴの葉(左側)" title="ハダニに侵されたリンゴの葉(左側)" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-149" /><br />ハダニに侵されたリンゴの葉(左側)</p>
</div>
</div>
<div class="multicolumn">
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_18.jpg" alt="捕食ダニがハダニを食べているところ" title="捕食ダニがハダニを食べているところ" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-150" /><br />捕食ダニがハダニを食べているところ</p>
</div>
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_19.jpg" alt="捕食ダニがハダニの卵を食べてるところ" title="捕食ダニがハダニの卵を食べてるところ" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-151" /><br />捕食ダニがハダニの卵を食べてるところ</p>
</div>
</div>
<h4 id="kb2">2. アブラムシと戦う天敵たち</h4>
<div class="multicolumn">
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_20.jpg" alt="アブラムシに果敢に挑む" title="アブラムシに果敢に挑む" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-152" /><br />アブラムシに果敢に挑む</p>
</div>
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_21.jpg" alt="テントウムシを大切に" title="テントウムシを大切に" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-153" /><br />テントウムシを大切に</p>
</div>
</div>
<div class="multicolumn">
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_22.jpg" alt="アブラムシにやられたリンゴの実(右)" title="アブラムシにやられたリンゴの実(右)" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-154" /><br />アブラムシにやられたリンゴの実(右)</p>
</div>
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_23.jpg" alt="アブラムシで侵されたリンゴの葉" title="アブラムシで侵されたリンゴの葉" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-155" /><br />アブラムシで侵されたリンゴの葉</p>
</div>
</div>
<div class="multicolumn">
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_24.jpg" alt="リンゴの敵のアブラムシ1" title="リンゴの敵のアブラムシ1" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-156" /><br />リンゴの敵のアブラムシ1</p>
</div>
<div class="double">
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_25.jpg" alt="リンゴの敵のアブラムシ2" title="リンゴの敵のアブラムシ2" width="240" height="180" class="alignnone size-full wp-image-147" /><br />リンゴの敵のアブラムシ2</p>
</div>
</div>
]]></content:encoded>
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		<title>焼きイモの風景</title>
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		<pubDate>Tue, 12 May 2009 01:37:07 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[里の暮らし]]></category>

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		<description><![CDATA[爺チャンが剪定で忙しい冬の晴れ間、孫が慰問にかけつけるのが常。
冷えた体を焚き火で温め、焼きイモで休憩のひとこま。

この焼きイモ行事、実はとても重要な作業です。剪定でおとした桃の枝が春からの作業に邪魔にならないように、 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><a href="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_06.jpg" rel="lightbox[121]"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_06-520x390.jpg" alt="焼きイモの風景1" title="焼きイモの風景1" width="520" height="390" class="aligncenter size-large wp-image-123" /></a>爺チャンが剪定で忙しい冬の晴れ間、孫が慰問にかけつけるのが常。<br />
冷えた体を焚き火で温め、焼きイモで休憩のひとこま。</p>
<p><span id="more-121"></span></p>
<p><a href="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_07.jpg" rel="lightbox[121]"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_07-520x380.jpg" alt="焼きイモの風景2" title="焼きイモの風景2" width="520" height="380" class="aligncenter size-large wp-image-124" /></a>この焼きイモ行事、実はとても重要な作業です。剪定でおとした桃の枝が春からの作業に邪魔にならないように、片付ける役割がありました。</p>
<p><a href="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_08.jpg" rel="lightbox[121]"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_08-520x390.jpg" alt="焼きイモの風景3" title="焼きイモの風景3" width="520" height="390" class="aligncenter size-large wp-image-125" /></a>剪定の枝処理のための焚き火。しかし、難しい話はこの親子にはどうでもよいことで、日がな遊び、疲れるとイモを食う・・・この風景はなぜかしら<br />
焚き火よりも、剪定作業で冷えた体を温める効果があります。</p>
<p><a href="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_09.jpg" rel="lightbox[121]"><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_09.jpg" alt="焼きイモの風景4" title="焼きイモの風景4" width="457" height="357" class="aligncenter size-full wp-image-122" /></a>何故か登場するいつものオジャマ虫。焼きイモを食うときだけは、そばにバッキーもソーニャも近づけません。</p>
]]></content:encoded>
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		<title>「赤い実」と食物繊維</title>
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		<pubDate>Tue, 12 May 2009 00:21:54 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[果樹園研究]]></category>

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		<description><![CDATA[フルーツが健康に良いということが改めて注目されるようになっています。An Apple A Day Keeps The Doctor Awayという西洋のことわざも、「一日一個のリンゴは医者いらず」などと訳されて広く知られ [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_03.jpg" alt="「赤い実」と食物繊維1" title="「赤い実」と食物繊維1" width="200" height="179" class="alignright size-full wp-image-110" />フルーツが健康に良いということが改めて注目されるようになっています。<strong>An Apple A Day Keeps The Doctor Away</strong>という西洋のことわざも、「<strong>一日一個のリンゴは医者いらず</strong>」などと訳されて広く知られるようになりました。米国ではこれをさらに進めて、<strong>More Color More Health</strong> (<strong>いろいろな色の野菜や果物を食べよう</strong>), <strong>The Five A Day</strong> (<strong>一日に５種類以上の果物と野菜を食べよう</strong>)をスローガンに、<strong>NCI</strong>(国立癌研究所)と<strong>CDC</strong>(疾病管理センター)という世界最大の研究機関が、ガン予防のキャンペーンをおこなっています。事実、このキャンペーンの効果によって、人口１０万人あたりのガン発生率が減少に転じたと言われています。</p>
<p><span id="more-106"></span></p>
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_04.jpg" alt="「赤い実」と食物繊維2" title="「赤い実」と食物繊維2" width="200" height="141" class="alignleft size-full wp-image-109" />さて、このように赤い実の、桃やリンゴなどが癌や高血圧、糖尿病などの成人病予防に有効であることは科学的に明らかになってきました。それでは、赤い実に含まれる何が病気の予防に働いているのでしょうか？　流行のポリフェノールなどの抗酸化物質、ビタミン類、有機酸、ミネラルなど様々な成分の関与が言われています。今回はまず、赤い実に含まれる代表選手の<strong>Dietary Fiber</strong> (<strong>食物繊維</strong>)の働きなどについて、わかりやすく、しかし<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>らしく専門的な知識もふくめて説明してみます。</p>
<p><strong>食物繊維</strong>をたくさん含む食物は、いわれているような病気の予防効果を本当にもっているのでしょうか？　<strong>大腸ガン</strong>、<strong>冠動脈性心臓疾患</strong> (心臓に栄養を送る血管が動脈硬化で詰まってしまう病気)、<strong>糖尿病</strong>など様々な病気の予防と食物繊維をたくさん含む食物の摂取との関係が広く研究されました。その結果、食物繊維が<strong>便秘</strong>、<strong>痔疾患</strong>、<strong>憩室症</strong> (腸に余計な穴ができて炎症を起こしてしまう病気。俗にいうモウチョウとい病気をイメージしてください)<br />
の予防のみならず治療にも有効であることがわかりました。さらに、<strong>ペクチン</strong>などの食物繊維は、血液のなかのコレステロール値を下げる効果をもっていることも科学的に証明されました。これらの研究の一部をこれから紹介していきましょう。</p>
<ol style="list-style-type: upper-alpha;">
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/106.html#s1"><span style="font-weight: bold;">食物繊維とはどんなもの</span><br />食物繊維の性質、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/106.html#s2"><span style="font-weight: bold;">食物繊維を食べるとどうして体によいのか？</span><br />便秘や痔に効く、コレステロールを下げる、ペクチンは善玉菌を増やす、ペクチンが善玉菌を増やす理由は？</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/106.html#s3"><span style="font-weight: bold;">食物繊維も食べ過ぎにはご用心</span><br />バランスの良い食事が大切、どのくらい食べたらよいのか、健康ダイエット</a></li>
</ol>
<h3 id="s1">A. 食物繊維とはどんなもの？</h3>
<h4>1. 食物繊維の性質</h4>
<p>食物繊維とは植物に含まれる繊維成分で、人間の腸管のなかの「<strong>消化酵素では分解されない</strong>」ものと理解するとよいでしょう。でも、消化酵素では分解されなくても、腸管のなかに棲む微生物 (よくいわれる<strong>善玉菌</strong>、<strong>悪玉菌</strong>ですね)によって代謝される食物繊維もありますから、人間の「<strong>腸管では分解されない</strong>」というのは間違いです。余談ですが、ウシやウマなどの草食獣が植物繊維を栄養にできるのは、消化管のなかにそういう細菌を一杯飼っているからです。</p>
<h4>2. 水溶性食物繊維</h4>
<p>フールツをふくめた色々な植物が、ペクチン、ガム、粘液成分、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなど様々な繊維成分を含んでいます。ペクチンとガムは水溶性繊維(水に溶ける)といわれるもので、植物の細胞の中(<strong>細胞質</strong>)に存在しています。そしてフルーツや野菜は、この「<strong>水溶性食物繊維</strong>」を豊富に含んでいます。水溶性食物繊維は、食べ物がゆっくりと消化管のなかを移動するのを助けますが、大便の量を増やすということはありません。<br />
水溶性繊維の代表選手ペクチンの働きについては、別項で詳しく説明します。</p>
<h4>3. 不溶性食物繊維</h4>
<p>一方、細胞の中ではなく<strong>細胞壁</strong>(細胞を取り囲んで守っているもの)に含まれている繊維、セルロース、ヘミセルロース、リグニンなどは水に溶けません<strong>(不溶性繊維</strong>)。このような繊維は水溶性繊維とは逆に、大便の量を増加させ、食物が速やかに消化管の中を通過することを助けるのです。不溶性繊維を栄養として充分にとるためには、穀類、その他に豆類や野菜をたくさん食べることが必要です。</p>
<p>ときどき<strong>粗繊維</strong> (Crude Fiber)と<strong>食物繊維</strong>(Dietary Fiber)という言葉が混同されて使われていますが注意しましょう。粗繊維は主に家畜などのエサに用いられる言葉で、一般に全食物繊維中の1/7から1/2を占めると言われています。<br />
また余談ですが、<strong>寒天</strong> (植物ゼリー)も体によい食物繊維として昔から色々な食料に使われていました。寒天のあの“なめらか感”は、水溶性繊維である<strong>アガロペクチン</strong>によるものです。そして寒天が水を含んでゼリー状に固まるのは、<strong>アガロース</strong>という不溶性繊維の働きによるものです。</p>
<h3 id="s2">B. 物繊維を食べるとどうして体によいのか？</h3>
<h4>1. 食物繊維は便秘や痔に効く</h4>
<p>不溶性食物繊維は水に結合して、便を柔らかくするのと同時にその量を増やします。ですから不溶性繊維を含んだ食べ物をたべることは、<strong>便秘、痔、憩室症</strong>の予防や治療に効果的なのです。憩室症は腸の壁に小さな余計な穴というか袋のようなものができて、そこが炎症を起こし腹痛を感じる病気です。昔はこの病気のときは繊維の少ないものを食べるように言われていました。しかし今は逆で、炎症を和らげるために食物繊維を含んだものを食べることが勧められています。</p>
<h4>2. 食物繊維はコレステロールを下げる</h4>
<p>血液の中のコレステロールのレベルが低いと(200mg/dl以下が望ましい)、<strong>狭心症、心筋梗塞</strong>(心臓に栄養を血液を送る血管が、動脈硬化で詰まってしまい、心臓の組織が死んでしまう病気)などの<strong>冠動脈性心臓疾患</strong>(冠動脈とは心臓の組織に血液を送る血管のこと)のリスクが低いがわかっています。　</p>
<p>人間の体は、血液の余分なコレステロールを肝臓で処理して、<strong>胆汁酸</strong>に姿を変えとして腸管に排出します。しかし、胆汁酸の多くは再び血液に吸収されてコレステロールに戻っていまいます。どうしてそんな・・・？　それは、コレステロールと言うと悪の代名詞のようですが、生命の維持のためにとても重要なものだからです。そして、本来の人間の体は多量の脂肪を食べることを前提に作られていないからなのです。人類が発生した当時は、狩猟は大変な作業でした。現在のように簡単に<strong>動物性脂肪</strong>を摂取することなどできなかったため、人間の体は貴重なコレステロールを少しでも体に貯えようとする機能を本来もっている訳です。ですから、動物性脂肪を含んだものを食べ過ぎると<strong>高脂血症</strong>になる危険が高いのです。でも、現代の食生活で動物性脂肪を食べないなんて、ベジタリアンにでもなるしかない・・・</p>
<p>そこで食物繊維の出番がやってきます。<strong>「赤い実」</strong>に豊富に含まれる<strong>ペクチン</strong>などの可溶性植物繊維は胆汁酸に結合して、血液に再吸収されにくくしてしまうのです。結果として余分なコレステロールは食物繊維にくっついたままた、体の外に排泄されてしまいます。ペクチンは、胆汁酸だけでなく食物として摂取されたコレステロールも、腸管から吸収されにくいようにする働きをもっています。</p>
<p><strong>ペクチン</strong>はコレステロールを体に吸収されにくくするだけではなく(<strong>血中総コレステロール</strong>や<strong>中性脂肪</strong>を低下させる)、<strong>善玉コレステロール</strong>(<strong>HDL</strong>: 高密度リポ蛋白)と<strong>悪玉コレステロール</strong>(<strong>LDL</strong>:低比重リポ蛋白)のバランスを改善させる働きがあることが判りました。1997年にドイツでおこなわれた研究では、中年の高脂血症患者に90日間リンゴのペクチンを食べさせたところLDLが低下し、反対にHDLが増加することがわかりました。つまりペクチンは、<strong>善玉コレステロール</strong>と<strong>悪玉コレステロール</strong>のバランスを健常人のものに近づける働きもあることが明らかになったのです。</p>
<h4>3. ペクチンは善玉菌を増やす</h4>
<p>最近、日本でおこなわれた研究で、ペクチンはコレステロールを下げるだけではなく、さまざまな健康によい働きをもっていることが判ってきました。</p>
<p>昔からリンゴには<strong>プレバイオティックス効果</strong>(食物由来の成分が、胃や小腸で消化されないで大腸にそのまま到達して、有用細菌を増殖させる働き)があることが知られていました。<br />
研究の結果、このリンゴのプレバイオティックス効果は、リンゴに含まれるペクチンが腸のなかの<strong>善玉菌</strong>の代表である<strong>ビフィダス菌</strong>(<strong>Bifidobacterium adolescentis</strong>や<strong>Bifidobacterium longum</strong> など、ヨーグルトなどに豊富にふくまれていて、長寿に貢献していることで知られる)などの有用細菌を、選択的に増殖させることによることが判ったのです。この働きを専門的には<strong>資化</strong>と呼びます。資化とは、細菌がある特定の化合物(ここではペクチン)を栄養源として生命活動をおこなうのに必要なエネルギーを得て、増殖する現象をいいます。</p>
<p>ぺクチンを食べ善玉菌が増える結果として、<strong>悪玉菌</strong>である<strong>ウエルシュ菌</strong>(<strong>Clostridium perflingens</strong>)などが減る効果を生み出します。ウエルシュ菌は重篤な食中毒の原因になる細菌です。またウエルシュ菌はオナラが臭い理由であるガスを発生しますし、そのガスの成分が大腸ガンを引き起こす誘引になると言われています。<strong>「一日一個のリンゴ」</strong>が大腸ガンのリスクを低下させる理由のひとつはここにあります。</p>
<h4>4. ペクチンが善玉菌を増やす理由は？</h4>
<p>ではどうしてペクチンが善玉菌のエネルギー源になるのでしょうか？少し専門的になりますが、<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>はホンモノを知る人のためのHPですので、解説を加えておきましょう。</p>
<p>ペクチンはアラビナン、アラビノガラクタン、ポリガラクツロン酸なの「<strong>多糖類</strong>」からできています。多糖類とは、わかりやすく言えば砂糖の仲間のアラビノース、ガラクトース、フコースなどの「<strong>単糖</strong>」が一杯くっついてできたものです。単糖が2 &#8212; 3個あるいは数個くっついたものを「<strong>オリゴ糖</strong>」と呼びます（多糖類ほど一杯くっついていない）。お砂糖の仲間からできているのですから、当然、エネルギー源になりやすい訳です。</p>
<p>多糖類であるペクチンの構造の一部(専門的には<strong>側鎖</strong>といいます。木の枝のようなものと思ってください)には、<strong>アラビノース</strong>という単糖が３個以上くっついてできた「<strong>アラビノオリゴ糖</strong>」の側鎖がついています。食物として取り入れられたペクチンは、腸のなかでこのアラビノオリゴ糖の部分が切り取られます。そして、この切り取られたアラビノオリゴ糖が、善玉菌の<strong>ビフィダス菌</strong>に選択的に取り込まれて、ビフィダス菌の増殖が促される、これがリンゴが善玉菌を増やす（<strong>プレバイオティックス効果</strong>）秘密だったのです。</p>
<h3 id="s3">C. 食物繊維も食べ過ぎにはご用心</h3>
<h4>1. バランスの良い食事が大切</h4>
<p>食物繊維はたしかに健康によいものです。しかし、だからと言って食物繊維だけ食べればよいと言うものではありません。いちばん大切なのは「<strong>バランスのよい食事</strong>」であることを忘れないでください。食物繊維を食べ過ぎると、体に必要なカルシウムやマグネシウム、亜鉛、銅、鉄などの「<strong>ミネラルの吸収が妨げられる</strong>」ことが知られています。とくに子供でこの危険性が指摘されています。十代の成長期のひとが、食物繊維だけ食べてダイエットするなどと言うことは、くれぐれも慎んでください。</p>
<h4>2. 食物繊維をどのくらい食べたらよいのか？</h4>
<p>子供の場合「<strong>年齢プラス５グラム</strong>」が目安とされています。高脂血症の患者さんなどコレステロール値が高い人では「<strong>１日40グラム</strong>」食べることが勧められています。</p>
<p>ではどんなものを食べたらよいのでしょうか？　たとえば普通サイズのリンゴ１個には約４gの食物繊維が、小さめのモモ１個には約1.6ｇが含まれています。<strong>「赤い実」</strong>は確かに良質の食物繊維の宝庫ですが、それだけでだけで食物繊維をとろうとする<strong>「リンゴダイエット」</strong>などはあまり勧められませんね。例えば<strong>豆類</strong>は半カップで9.3グラム、<strong>コーン</strong>半カップで4.7グラム、<strong>ブロッコリー</strong>半カップは3.5グラムなどという目安が報告されています。野菜や豆、穀物の<strong>「彩りのあるおかず」</strong>をご飯と一緒に食べて、デザートやおやつに甘いものを控え<strong>「赤い実」</strong>を食べるという、<strong>「バランスのよい食事」</strong>を心がけてください。リンゴやモモなどのフルーツが体によいのは、食物繊維だけが理由なのではありません。</p>
<h4>3.  健康ダイエット</h4>
<p><strong>「バランスのよい食事」</strong>と一緒に実行される限りでは、食物繊維はたしかにダイエットの有力な手段です。まず食物繊維は人間が吸収できない<strong>「多糖類」</strong>ですから、ゼロカロリーと考えてよいでしょう。しかも、寒天やコンニャクを考えるとわかり易いのですが、水を吸収して膨らみますので、簡単に満腹感を得ることが出来ます。肥満で体重を減らしたいひとは、<strong>「食事の前にリンゴ一個まるかじり」</strong>は食べ過ぎ防止に有効ですね。勿論、<strong>「豆腐一丁」</strong>と組み合わせてやってください。</p>
<p>食物繊維をたくさん含む食べ物でダイエットをおこなう隠れた効果は、<strong>「よく噛む」</strong>ことなのです。よく噛むためには時間がかかりますから、短時間でガツガツと一杯食べる肥満の大敵を防ぐことができます。<strong>「食事の前にリンゴ一個まるかじり」</strong>はその意味で大変有効です。</p>
<p>食物繊維がダイエットや健康に有効なことは間違いありません。しかし、食物繊維にはまだまだ判らないことも多く、研究が続けられている最中です。その意味で安易な<strong>「サプリメント」</strong>で食物繊維を補給するのはいただけません。ジョギングをやり過ぎて関節を痛める中高年の多発と同じで、欧米式の<strong>「食物繊維ヒステリー」</strong>、<strong>「ビタミンヒステリー」</strong>の仲間入りは止めましょう。食物繊維やビタミンはフルーツや野菜や穀物を普通に食べていれば、すなわち日本人の普通の食生活を送れば、問題なく補給できるのです。</p>
<p><strong>「赤い実の熟れる里」</strong>の暮らしではどうかって？　リンゴを摘みながら立ち食いして、昼は手打ちの蕎麦とキノコ汁、仕事が終われば枝豆と国産大豆の豆腐を肴にビールで汗を流す。こりゃ体に悪いわけありませんな、ウンコの量はちょっと多いようですが・・・誰だオーナーのオナラはそれでも臭いなどと告げ口する奴は！</p>
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_05.jpg" alt="「赤い実」と食物繊維3" title="「赤い実」と食物繊維3" width="300" height="158" class="aligncenter size-full wp-image-117" /></p>
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		<title>赤い実と抗酸化物質</title>
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		<pubDate>Mon, 11 May 2009 20:54:52 +0000</pubDate>
		<dc:creator>admin</dc:creator>
				<category><![CDATA[果樹園研究]]></category>

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		<description><![CDATA[最近またワインブームのようです。赤ワインに豊富に含まれるポリフェノールには抗酸化作用(体の中の成分が酸化されるのを防ぐ作用)があり、動脈硬化・高血圧・心臓病などさまざまの成人病の予防によいと言われています。このワインと健 [...]]]></description>
			<content:encoded><![CDATA[<p>最近またワインブームのようです。赤ワインに豊富に含まれる<strong>ポリフェノール</strong>には<strong>抗酸化作用</strong>(体の中の成分が酸化されるのを防ぐ作用)があり、動脈硬化・高血圧・心臓病などさまざまの成人病の予防によいと言われています。このワインと健康ブームがきっかけになって、これまでは専門家の間でだけ使われていた<strong>活性酸素</strong>や<strong>抗酸化物質</strong>などという言葉もすっかり世間に知られるようになりました。</p>
<p><span id="more-87"></span></p>
<p>ところでリンゴやモモなどの赤い実にも、ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれ、皆さんの健康維持に一役かっています。とくにリンゴに含まれる<strong>「エピカテキン」</strong>や<strong>「ケルセチン」</strong>あるいは<strong>「ビタミンC」</strong>などの抗酸化物質は「一日一個のリンゴは医者いらず」の働きの主役のひとりとも言えるでしょう。</p>
<p>もっとも、<strong>「赤い実」</strong>の抗酸化作用の仕組みが全て判っているかというと、そうではありません。研究は始まったばかりとも言えます。例えば、桃のポリフェノールの含量はリンゴより少ないのですが、桃の抗酸化作用はリンゴより強いことが判っています。何でもかんでもポリフェノールで説明できるのではない、それが<strong>「赤い実」</strong>の奥の深いところでしょうか。</p>
<p>それはさておき、<strong>活性酸素って何？</strong>、<strong>抗酸化作用ってどんな作用？</strong>、<strong>抗酸化物質って何をするの？</strong>言葉だけは知っているけれど、ちょっと専門的すぎて内容がよく判らないという人が多いのではないでしょうか。　そこでこれらの質問について、「ホンモノを知る」ことをモットーとする<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>のメンバーのために、できるだけ判りやすく解説してみたいと思います。少し専門的な言葉も含まれますが、最後まで読んでもらえばきっと皆さんの疑問は解決されることでしょう。</p>
<ol>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a1">活性酸素って何だろう？</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a2">活性酸素と生命の起源</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a3">活性酸素は生命を守る働きもある</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a4">活性酸素の撃退法と生命の進化</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a5">食物と抗酸化物質</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a6">高酸化物質の王様ポリフェノール</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a7">ポリフェノールってどんなもの</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a8">赤い実に含まれるポリフェノール</a></li>
<li><a href="http://www.akaimi.net/akaimi/akaimi02/87.html#a9">ポリフェノールは食物から摂ろう</a></li>
</ol>
<h3 id="a1">1. 活性酸素って何だろう？</h3>
<p><strong>活性酸素</strong>(スーパーオキサイドラジカル)とひとことで呼ばれますが、実際は一種類のものではありません。<strong>O2</strong>・－(スーパーオキサイドアニオン, 酸素分子<strong>O2</strong>に電子がひとつ余計についたもの)、<strong>H2O2</strong>(過酸化水素)、・<strong>OH</strong>(ヒドロキシラジカル)など、<strong>「反応性に富んだ酸素を含む分子」</strong>の総称のことを言います。</p>
<p>もう少し専門的に言うと、他の分子に電子を与え易い、つまり他の分子を<strong>酸化させやすい</strong>、非常に活発な、酸素を含んだ分子だと覚えてください(化学の世界では、他の分子に電子を与えることを<strong>酸化</strong>と言います。高校の化学の復習ですね)。そして、この活性酸素は私たちの体の細胞のなかで、いつも作られそして分解されを繰り返していて、よい意味でも悪い意味でもとても重要な働きをしています。</p>
<p>それでもちょっと難しくてイメージが湧かない・・・そうかも知れません。でも読み進むうちに分ってきますから心配しないでください。理解を助けるために、ここではひとつだけ覚えておきましょう。こどもの頃、転んで膝を擦りむいたとき<strong>オキシフル</strong>と呼ばれる薬で消毒しましたね(<strong>オキシ</strong>とは英語で酸素を意味する接頭語です)。このオキシフルの正体は<strong>H2O2</strong>(過酸化水素)です。</p>
<p><strong>H2O2過酸化水素</strong>を傷口にかけると、傷口の組織や赤血球に含まれる<strong>カタラーゼ</strong>という酵素の働きで<strong>H2O2</strong>が<strong>H2O</strong>水と<strong>O2</strong>酸素に分解されます　(化学反応式では右のように書きます。<strong>2 H2O2 →2H2O + O2</strong>)。つまりオキシフルをかけるとブクブクとでる泡、その正体は<strong>H2O2</strong>過酸化水素からできた<strong>O2</strong>酸素だったのですね。この<strong>H2O2</strong>や<strong>O2</strong>はそれ自体に強い殺菌作用があります。そして、殺菌作用と同時にあぶくが出る時に一緒に汚れを浮かせて取り出してくれる、これがオキシフルの消毒の正体です。つまり、活性酸素を消毒に使っていたのですね。</p>
<h3 id="a2">2. 活性酸素と生命の起源</h3>
<p>活性酸素はたしかに体や細胞にとって危険なものです。遺伝子を傷つけてガンの原因になったり、<strong>脳梗塞</strong>(脳の血管が詰まって、脳の組織が死んでしまう病気)で脳組織が破壊されるときなどにもこの活性酸素が働いています。日焼けしすぎて皮膚にシミができる、その原因も活性酸素だと言われています。でも、待ってください。生物の体というものは意味のないものはあまり作らないものです。どうしてこんな危険なだけにしか見えないものを生物は体のなかで作るのでしょうか？　それは、驚くなかれ、生物の進化の歴史と関係があるのでした。</p>
<p>そもそも<strong>「酸素とは生物に有害な分子」</strong>なのです。高濃度の酸素に長時間暴露されれば、人間のみならず多くの生物が死んでしまいます。オゾン殺菌などという言葉も知られていますが、オゾンも酸素の仲間です。そして殺菌に使われるくらいですから、生命にはとても危険な分子です。未熟児で生まれた赤ちゃんが救命のために高酸素室に入れられて、不幸にも脳に異常をきたしてしまう<strong>未熟児脳症</strong>も、この高濃度の酸素が原因なのです。エエッ! 私たちはそんな危ない酸素を使って呼吸しているの？　答えはイエスです。　生命の不思議あるいは危うさと言えばいえますね。</p>
<p>さて話は太古の昔にさかのぼらなければなりません。地球が誕生してまもない生命の起源のころ、原始の生命体は海のなかで幸せに暮らしていました。なぜかというと、その頃の陸上は生物にとって危険な高濃度の<strong>O2</strong>酸素に満ちていたのです。ところがいつの頃かヘソ曲がりのある種の生命が、陸上という新しい生活圏に活動を広げるために、この酸素という危険な分子を、自分自身のエネルギーを作るために活用するという危険な賭けに打ってでたのです。そしてこの賭けに勝った生物、つまり<strong>「酸素を使った呼吸」</strong>という方法でエネルギーを作り出すことに成功した生物が、母なる海から離れて地上での進化の道をたどることになったのです。酸素は危険な分子ですが、効率よくエネルギーを生み出すのにとても都合のよい、いわば諸刃の剣だったのですね。</p>
<p>こうやって酸素を使った呼吸でエネルギーを作り出すことのできる生物が誕生し、進化してきた末裔のひとりがわれわれ人類なのです。しかし、酸素を使って細胞のなかでエネルギーを生み出す過程(<strong>酸素呼吸</strong>)では、どうしても活性酸素という<strong>危険な副産物</strong>(正確には<strong>ラジカル中間体</strong>)ができることが避けられないのです。文字通り、諸刃の剣といえるでしょう。これが、体のなかで活性酸素ができてしまう理由なのです。そして、地上生活を始めた生物が危険な酸素を使って陸上で暮らし続けるためには、どうしてもこの有害な副産物に打ち克つ仕組み(<strong>活性酸素を無毒化する仕組み</strong>)を体の中に作り上げる必要がありました。これが後ほど説明する<strong>抗酸化機構</strong>なのです。</p>
<h3 id="a3">3. 活性酸素は生命を守る働きもある</h3>
<p>活性酸素は酸素を使ってエネルギーをつくる呼吸の過程で、どうしても生じてしまう危険な副産物という話をしました。しかし、活性酸素はこの危険なだけの副産物に過ぎないのでしょうか？答えはノーです。実は体のなかで、それも体を守るためにとても重要な働きもしています。</p>
<p>その一例を紹介しましょう。皆さんは体の中に<strong>白血球</strong>や<strong>マクロファージ</strong>という細胞がいて、体のなかに入ってきたバイ菌を食べて撃退してしまうという話を聞いたことがあると思います。実は、この白血球やマクロファージはバイ菌を食べると、自分の細胞のなかで<strong>パーオキシダーゼ</strong>という酵素の働きを使って活性酸素を作りだし、その活性酸素によってバイ菌を殺してしまうのです。活性酸素はバイ菌から体を守るためにとても重要なものだったのです。</p>
<p>また細胞で作られる活性酸素の仲間に<strong>NO</strong>(一酸化窒素)というものがあります。何だか排気ガスみたいですね。でもまさしくその<strong>窒素酸化物</strong>のひとつです。この<strong>NO</strong>は例えば<strong>血管内皮細胞</strong>という血管の内側を覆っている細胞で<strong>NO合成酵素</strong>という酵素の働きで作られて、それが血管の壁を作っている血管平滑筋細胞という細胞に働いて、血管が収縮したり弛緩したりという調節もおこなっているのです。専門的にいうと、活性酸素であるNOが、<strong>血管内皮細胞</strong>と<strong>血管平滑筋細胞</strong>の間で情報を伝える物質(<strong>情報伝達物質</strong>)として、血圧の調節をおこなっているのです。</p>
<p>活性酸素といえば何でも悪者というのは、行き過ぎた誤解であることが判ってもらえたでしょうか。</p>
<h3 id="a4">4. 活性酸素の撃退法と生命の進化</h3>
<p>ところで白血球やマクロファージはこんな危ない活性酸素を自分のなかで作ってしまって、大丈夫なのでしょうか？　神様は驚くべき仕組みを生物の体のなかに作りあげていました。白血球やマクロファージは活性酸素を作り出す酵素とともに、その活性酸素をすぐ無毒化してしまう酵素(<strong>スーパーオキサイドディスムターゼ</strong>Super-Oxide Dismutase や<strong>カタラーゼ</strong>Catalaseなど)も作っているのです。ですから、バイ菌だけを殺して自分は何ともない訳ですね。</p>
<p>生物がこのように<strong>スーパーオキサイドディスムターゼ</strong>(SOD)や<strong>カタラーゼ</strong>などの活性酸素の無毒化酵素を持っているということが、生物の<strong>抗酸化作用</strong>の仕組みそのものなのです。もっと言えば、このような無毒化酵素を作り出すことに成功した生物のみが、酸素世界のなかで進化の道を歩むことができた訳です。ですからこのSODやカタラーゼは、人間だけはなく微生物を含めた殆どの生物が持っています。酸素の世界で生きる道を選んだ生物が、何億年という時代を越えて、共通の<strong>抗酸化機構</strong>を使っている訳ですね。</p>
<p>余談ですが、これら無毒化酵素が体のなかで少なくなったり、出来なくなるとどうなるのでしょうか？ひとつのわかり易い例は、高齢者の皮膚にできるシミですね。これは無毒化酵素の働きが弱ったためにおこる現象です。また、<strong>ルーゲーリック病</strong>(専門的には<strong>進行性脊索硬化症</strong>といいます)という、脊髄が犯され全身の筋肉が麻痺してやがて死にいたる高齢者に多い難病がありますが、この原因は無毒化酵素である<strong>スーパーオキサイドディスムターゼ</strong>が上手く作られなくなってしまうのが原因です。このような病気の存在は、無毒化酵素が生命の維持にいかに重要かということをよく示していますね。</p>
<h3 id="a5">5. 食物と抗酸化物質</h3>
<p>ここまで読んできた皆さんにはもう、抗酸化物質とは何かという説明はいらないかもしれません。そうです、抗酸化物質とは「<strong>体の成分が活性酸素などによって酸化されるのを防ぐ物質</strong>」のことを言います。すでに説明した<strong>スーパーオキサイドディスムターゼ</strong>や<strong>カタラーゼ</strong>もたんぱく質(酵素)ですが、立派な抗酸化物質の仲間です。</p>
<p>それでは、このような無毒化酵素が体のなかにあるのだから、抗酸化物質の入った食べ物なんて食べる必要ないじゃないかと思うかもしれません。ところが、そうは問屋がおろしてくれないのですね。活性酸素は体の中のいたるところで、それも四六時中作られている訳です。無毒化酵素だけではそれらを処理することができないのです。また、体の代謝機能が充分に出来上がっていない乳幼児では、あるいは歳をとって無毒化酵素の産生や働きが弱ってくれば、どうしても食べ物の形で抗酸化物質を補給することが必要になってきます。</p>
<p>動物によって抗酸化物質の必要度は異なりますが、私たち人間の場合は<strong>ビタミンC</strong>や<strong>ビタミンＥ</strong>、<strong>βカロチン</strong>など、主にビタミンの形で抗酸化物質を採ることが必要です。そう、ビタミンCやビタミンＥも抗酸化物質なのです。ビタミンCやビタミンＥをたくさん取るとガンの予防になると言われますが、それはこれらのビタミンが、活性酸素の働きを抑え活性酸素によって遺伝子が傷つけられるのを防ぐからなのです。</p>
<h3 id="a6">6. 高酸化物質の王様ポリフェノール</h3>
<p>それでは<strong>ビタミン</strong>を一杯とれば、もう抗酸化物質の入った食べ物はいらないのでしょうか？　答えはノーですね、世の中そう単純にはいかないのです。例えばビタミンCなどの抗酸化物質はたしかに活性酸素を無毒化してくれるのですが、それ自身がとても不安定で体のなかで長時間働くことができません。人間が生きて行くためには、体中でできる活性酸素を長期間に渡ってやっつける安定な抗酸化物質も必要なのです。この安定な抗酸化物質の代表が<strong>ポリフェノール</strong>です。ビタミンは速球型のショートリリーフ、そしてポリフェノールは変幻自在、変化球型のロングリリーフというところでしょうか。</p>
<p>さてそれでは安定な抗酸化物質は、どうやったら手にいれることができるのでしょうか？そこで登場してくるのが、果物やお茶あるいは野菜などの植物に含まれる<strong>ポリフェノール</strong>なのです。アダムとイブは禁断のリンゴの実を食べてしまったのですが、どうも悪いことばかりでなくて、禁断の木の実にはポリフェノ－ルが一杯含まれていて、子孫繁栄・人類発展に一役かったといえなくもありませんね。</p>
<p>果物、野菜などに含まれているポリフェノールの最大の特徴は、とても安定な抗酸化物質だということです。ビタミンCなどは熱をかけたりすればすぐ壊れてしまいますが、植物ポリフェノールは大丈夫、例えばお茶の<strong>カテキン</strong>が有名ですね。思えば、お茶を飲んで、<strong>「赤い実」</strong>を食べて、野菜の煮物たべてという日本人の食生活は大したものなのです。ファーストフォード文化に汚染されるのは仕方ないにしても、せめてあのアメリカの健康ヒステリーが生みだした愚にもつかないサプリメント食品に、お金を使うのは止めにしたいものです。お茶飲んで、フルーツ食べてれば良いのだ。</p>
<h3 id="a7">7. ポリフェノールってどんなもの</h3>
<p>さてここでちょっと化学の勉強をして貰います。<strong>「亀の甲」</strong>なんて嫌いだなんて言わないでください。ポリフェノールがどんなものかを知るためには、ダラダラと長ったらしい文章の説明より百聞は一見にしかず、構造式で理解してしまうのが近道です。簡単ですから心配しないでください。</p>
<p>ポリフェノール(多価フェノール)とは、同一分子内に２個以上の<strong>フェノール性水酸基</strong>(芳香族環に結合した水酸基)を持つ化合物の総称です。わからない・・・・それでは下のポリフェノールの代表である<strong>カテキン</strong>と<strong>ケルセチン</strong>の構造式を見てください。</p>
<p><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_01.jpg" alt="カテキンの構造式" title="カテキンの構造式" width="131" height="110" class="size-full wp-image-100" style="margin: 0px 20px;" /><img src="http://www.akaimi.net/wp-content/uploads/0512_02.jpg" alt="ケルセチンの構造式" title="ケルセチンの構造式" width="131" height="110" class="size-full wp-image-101" /></p>
<p>芳香族環とはホラ例の<strong>「亀の甲」</strong>のことです。上の図を見ると亀の甲にいっぱい水酸基(-OH)がくっついていますね。何のことはない、亀の甲にいっぱい水酸基がくっついた物質がポリフェノールだと覚えておけば良いのです。</p>
<p>じゃあ、ポリフェノールはどうして抗酸化作用があるの　？　ここから先は相当専門的な化学の知識が必要になりますから、簡単にとどめます。分り易く言うと、亀の甲にくっついている水酸基(-OH)が活性酸素にくっついている余分な電子を引き受けて、活性酸素を反応性のない(酸化作用のない)分子に変えてしまうのです。これだけ覚えてくれれば十分です。</p>
<h3 id="a8">8. 赤い実に含まれるポリフェノール</h3>
<p>それではフルーツにはどのくらいポリフェノールが含まれているのでしょうか ? 品種によって違うので一概には言えませんが、モモで30 &#8212; 80mg/100g、リンゴで40-70mg/100gというデーターがあります。具体的には、リンゴでは<strong>エピカテキン</strong>や<strong>ケルセチン</strong>と呼ばれるポリフェノール、モモではケルセチンなどに加えて<strong>タンニン</strong>や<strong>アントシアニン</strong>などが含まれています。アントシアニンは赤ワインのポリフェノールとして有名なものですね。</p>
<p>さて冒頭でも書きましたが、赤い実のポリフェノールは確かに抗酸化作用の主役のひとりですが、これで全てが説明できる訳ではありませんから注意してくださいね。また、ポリフェノールの含量が多いからと言って、その食物の抗酸化作用が強いとも限りません。まああまり難しく考えないで、季節季節の果物を美味しくたべる、季節が悪い時はドライフルーツやナッツで補うというように、気楽に考えて欲しいものです。</p>
<h3 id="a9">9. ポリフェノールは食物から摂ろう</h3>
<p>さて抗酸化物質の説明を終えるにあたり昨今の行き過ぎた健康ブームに苦言を呈しておきましょう。ポリフェノールが体によいとなると猫も杓子もポリフェノール、得たいの知れないものがサプリメントと称して出回っています。賢明なる<strong>「赤い実の熟れる里」</strong>のメンバーは、こんなものに惑わされないことを祈ります。</p>
<p>たしかに果物などの植物に含まれるポリフェノールは安定で熱にも強いものが多いといえます。でも安定とは言え、ポリフェノールはもともと反応性の高い物質ですから、裸のままではそれ自身が酸化されて壊れてゆきます。というよりも、自分自身が酸化されることで体の大事な成分が酸化されるのを防ぐのが、抗酸化物質の抗酸化物質たる所以です。ところが不思議なことに、その仕組みはまだよく解明されていませんが、その反応性の高い(酸化されやすい) 抗酸化物質が、果物や野菜などの食べ物のなかにあると安定なのです。安定なだけでなく、人間の体に吸収されやすく、また人間の体のなかで抗酸化作用を発揮しやすいのです。</p>
<p>神様は食べ物からポリフェノールなどの抗酸化物質を摂るようにこの世をつくっている訳ですね。安易なサプリメントなどを買ってよしとする、悪しきアメリカ文化の横行には警鐘を鳴らしておきたいと思います。大体、どう考えても体に良いとは思えない脂肪タップリのハンバーガーやフライドチキンやピザばかり食べて、それをサプリメントで補うなどというのは、食文化の形成と無縁に発展した国民のなれの果てに過ぎません。やすっぽい宣伝や底の浅い健康ブームなんかに騙されないで、季節季節の新鮮な野菜や果物をたべる日本人本来の食生活、これに勝る抗酸化物質の補給方法はないと思ってください。</p>
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